中国国内の教養の格差がひどいって話を前に書いたけれど、では教養のある側の人間はどんなかというと、まずものすごく自国の文化を大事にしているし誇りを持っているし、実際に精通している。だってロボット工学を学んでるガチガチの理系がだよ?「俺歴史のことなら何でも知ってるから、わかんないところは何でも訊けよー(゜д゜)d」とか、「中国の知識人は皆孔子の弟子。あと老子は中国人の心の神。文化大革命は狂ってる」みたいなこと言ってくるんだぜ。で古式の儒家の礼法にも精通している。
中国語のマンツーマンの先生は年はうちと変わらないけど「古筝」が弾けて、専門家でもないのに、今探している本「黄帝内経」「五十二病方」ときたら次にくる「神…」をみなまで言わずに「神農本草経」と当ててきた。
こういう一部の知識人だけでなくて、普通ーのお店に入っただけでも時々中国の伝統音楽がBGMとして流れてくるあたり、感心するところ。あと、広告の文句。さすがに韻までは踏まないが、字句を3字ずつや4字ずつ、はたまた75調なんかで揃えたりして、韻文の特色を残している。ちょっと年配の人は結構な確率で清朝の伝統衣装を現代的に模した服を着てるし、そんな衣装のお店も、日本の呉服屋なんか比べ物にならないくらいの頻度であちこちに点在している。厳密には清朝は漢民族の文化じゃないけど、いかにも中国的なもののイメージは大抵清朝発だから、やっぱりそういう人たちは自国の色・イメージを大切にしているんだろうなあと思う。
これがもろ漢民族文化の唐漢まで遡ると、逆にイメージが日本に近づいてくるんだよね。でまた、かの理系がだ、「日本はある程度中国の唐漢文化を温存してるから、日本の文化も尊重してる。中国は古代の文化を復活させるべきだ!」みたいなこと言うんだ。そこまでわかっているなんて。
で、最近なにげに感動したのが「抱朴子」の話。
ちょっと前に、四川料理が辛い理由を現地の人に聞いたんだ。なんでもこの地域は高い山に囲まれてて、常に雲が立ち込めるからなかなか太陽が出ない、その気候のせいで、「風湿」という風土病がある。全身が痛むこの病気は、四川料理の特色である「麻辣(唐辛子の「痛い」感じの刺激ではなくて、しびれるような刺激)」なものを食べると収まるんだ。で、その「麻辣」な味を出す香辛料が主に「花椒」「藤椒」と生姜だ。
聞いたときは「へーそうなんだー!」で終わったんだけど
これが実際「抱朴子」に載ってたからびっくりだよね。
「薑椒防湿(この中の「薑椒」が、生姜やら花椒類やらを指す)」ってね。
そんな1700年前の記述が現代に生きているなんて。ちなみにこれは抱朴子が「孝経」の記述を引用したものだから、実際初出はもっと古い。すごくね?そんな時代の知識が現代に通用して生きてるんだぜ。何がすごいって、迷信じゃないあたりがすごい。漢民族が中華思想持っちゃうのもわかるわ。
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