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しがない書生の日記でございます。
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言語を学習中の外国人にとって必要なものはね、もちろん専門的な言語学知識とメソッドを持った優秀な教師、も そうなんだけど、ここ中国にはそんな質のいい教師は皆無なわけだ。教師ってもみーんな、例えば前に書いたように「他動性」とか「アスペクト」みたいな言語学的な世界共通の概念、もしくは音声学的な知識なんか持ってなくて、持ってる知識といえば月並みな国語文法知識、あとは現場の経験くらいなわけだ。

ところが、そんな 先生に指導力が全く期待できない状況の中にあったって、やっぱり先生は有難い存在だった。

何故かって、彼女らは外人と意思疎通を取ることが仕事だからだ。つまり、言葉をろくに話せない外人がどんなにわからないことを言ったって、その意味を意地でも理解しなければいけないポジションに立たされている。
相手が外国人だということをわかっていて、相手の言うことを理解しようと努め、また相手に伝わるような言い方で話そうと努める、それだけで、言語学に対して何の素養も持っていなくたって言葉が不完全な者と意志の疎通を取ることは充分できる。

これが学校の外に出ると、発音や文法がものすごく間違ってたりするわけでもないはずなのに、不思議なくらい言葉が通じなくなる。相手が自分と同年代くらいの若者なら問題なく会話できるから、方言の問題ももちろんあるだろう。
ところが、学校の外ではまた、こちらが言語の不完全な外国人だとわかっていても1ミリも言語的な配慮をしてくれない人も不思議なほど多い。例えば相手の言う言葉が聞き取れなくて聞き返す。ところが何度聞き返したところで、中国人に話すのと同じような言い回しや速度でしかものを言わない人が、不思議なほど多い。

(本当に「不思議」だ。なぜって、自分が日本語の不完全な中国人に日本語を話すときはものすっごく配慮して、日常語でない言葉、つまり教科書にいかにも載っていそうな言い回しで、ゆっくりとゼスチャーを交えつつ話すようにしてるから。だから配慮しない人間は理解できないし、あなたの言葉は大変聞きやすいとみんな言ってくれる。)

そう、人はほとんど、外国人と意志の疎通をとる気などさらさらないのだ。
それは不親切でもなんでもなく、受け入れるべき自然状態だと思う。

そして、それをわかっているからこそ、殆どの外国人は言葉を話すことに遠慮を感じなければならない。

そこで、身寄りのない外国人が言語を習得するためには
ある人を、強制力を以て、彼らと意志の疎通をとらなければいけないポジションに立たせる必要がある。

教師というのは、その強制力を備えたポジションの一つの形態だ。

学習者の能力にもよるけれども、言語に対する知識をつける、つまり理解を強化するだけならば、ネットが発達したこのご時世、一人でも充分できる。だが一人では産出の訓練ができない。読みと聞き取りは一人でも訓練できるが、書きと喋りは一人では訓練できない。

だから教師は練習台になればいい。言語に対する知識も万全で、学習者の理解を助けることができればそれはベストだけれども、そんなことよりも「教師」というポジションが存在していることそのものの意義が一番大きい。



特にうちのような、記憶力は鬼だけどもコミュ力がバイキンくらいしかないヤツにとって、このポジションの存在は本当に丁度よい助けになる、というか なった。

と思う。
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七生踊
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1989/03/03
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趣味:
作画、作曲、漢籍
自己紹介:
だいぶ前に母屋がなくなったので前みたいな電波なのでなく普通に書く。
・1989,3,3生まれ、A型
・デフォルトでミニマム状態
・お菓子を見るとときめく
・昆虫を見てもときめく

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