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しがない書生の日記でございます。
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昨日授業で、一般の老子観がかなり実際とかけ離れてるって話がちょっと出たんだけどね、

まったくもってそう思うわ。

まず「自分らしさ」とかいう言葉を用いて宣伝する時点で老子のことわかってない。
「らしい」っていう概念自体存在しないのが老子なのに。

どこかの誰かが「誤解された仏教」なんて本書いてたけども、やっぱり一般人が広く知るようになるとどこかしらでひとり歩きが始まるんだよね。

別に悪いことじゃない。
誰だって信じるものをヒーローにしたい。人格がほしい。ストーリーがほしい。
更には、自分に味方してほしい。
そういうわけで、何らかのでかい思想を残した人が原典を鑑みられずに多数派の理想像が反映された姿に勝手になってくのは自然な現象だと思う。
そして、その勝手な像を支えに生きてた、生きてる人もいるんだろうから、
「それは間違った像だからこういうふうに正しなさい」
なんてことは、言うほうが間違ってるとも思う。

ただ、やっぱり「正しなさい」というわけではないんだけども声高に間違いを指摘する、そういった連中も原典のイメージの保存、ひいては人々の知的好奇心の喚起のためにはいなければいけないわけで、
うちは、
都合のいいイメージを用いつつも多くの人に共感を与える立場

幻想をぶち壊しつつもわかるヤツの知性だけを刺激する立場
とあるんであれば、迷いなく後者をとる。


さてさてそういうわけだから、
とりあえず「自分らしさ」にまつわる一人歩きした老子観をぶち壊しましょうか。

まず「らしい」って言うには、その「らしい」の内容を形作る要素が必要だ。

具体的に言葉にはできなくても、「なんとなくこういうのがあの人「らしい」」っていう要素が一つ以上存在しなければ、「らしい」という言葉は存在しない。

多分老子に目を通したことある人はこの時点でぴんとくるんじゃないかな?
老子っていちいち要素がある状態は嫌うんだよ。
道は常に名無し、とか、その無なるにあたりて用あり、とかね。
あと高低、美醜とかの概念の対比もあったね。高いという概念があるから低いという概念も生まれる。美しいという概念があるから醜いという概念も生まれる。
当然、らしいという概念が生まれれば、らしくないという概念も生まれる。
つまり、らしいという概念を持つことは、らしくなさを追放することでもある。
それって老子の最も嫌う「作為」じゃん。

多分、老子が自分らしさを発掘する書物だと誤解されたのは、
つまだつ者はたたず、とか、中を守るにしかず、とか「ありのままでいい」的なことを流行の言葉で言おうとした試みが失敗しちゃったせいじゃないのかなぁと考えるね。

「ありのまま」ていう概念はさ、要素に分解できないでしょ。
「何があなたの「ありのまま」ですか」ってきかれて、例えば「Aがありのままです」って答えちゃったら、Aじゃないのはありのままじゃないことになる、つまりA以外の思考含めた行動は、「Aではない」ことを理由に被質問者の中では否定されるわけだろう?その時点でその人はAという要素に振り回されている。つまりありのままではない。
まあそういう矛盾が生じるので、らしいこととありのままであることは同義じゃないんだよ。

うちの思うに、老子の言いたいアイデンティティ論は、
個性とからしさとか何も考えるな
ってことだね。

そういう概念を一切駆逐することが、爪立たない、中を守る、名が無い者になるってことなんでしょうな。













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1989/03/03
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作画、作曲、漢籍
自己紹介:
だいぶ前に母屋がなくなったので前みたいな電波なのでなく普通に書く。
・1989,3,3生まれ、A型
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・お菓子を見るとときめく
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